無垢材と伝統工法による純和風の住宅建築を得意とし、創業からまもなく半世紀を迎える岩重工務店。昨年オープンした同社初のモデルハウスは、従来の技法を生かしながら、新たに和モダンの装いを加えている。モデルハウスを見て「こんな家を建てたい」という施主が、次々と似た間取りや素材での家づくりをスタートしているそうだ。

家づくりで大切にしているのは、耐久性と機能性と心地よさ。屋根は35年前よりフェルトと遮熱材の二重構造にし、その上に本瓦を葺いている。外壁には断熱や耐火、防音、耐久性に優れたパワーボードを使用する。さらに、高性能高断熱のグラスウールを採用しており、省エネ性の高さも魅力の一つ。メンテナンスのコストを抑えられ、災害にも強い家がつくられる。

また、部屋ごとに多種多様な無垢材がふんだんに使用されているのも特長の一つだ。もともと同社はカリンやカバザクラ、カエデ、ミズザクラなど豊富な種類の材木を、一度に大量に仕入れて自社倉庫に保管。５年、10年と十分に自然乾燥させ、粘りや色つやに優れた素材を、職人技を操る岩重佐苗社長や国雄専務らが、墨付け、手刻みで加工している。そのため、低コストで惜しげもなく無垢材を使用できるのだ。